ANAの国内線をよく利用する人にとって、「スーパーバリュー」という運賃はおなじみの存在だったはずです。早く予約すればするほど安く買える、いわゆる早割運賃として、出張の予定が決まっているときや、SFC修行で回数を稼ぎたいときに多くの人が利用してきました。
ところが、ANAが2025年5月に発表したプレスリリースによれば、この「スーパーバリュー」という運賃名称は2026年5月以降の搭乗分をもって廃止される予定です。代わりに、３つの新しい運賃タイプへと再編されるとのこと。これに対して、「安い運賃がなくなるの？」「出張に使いにくくなるのでは？」と不安の声もあがっています。
今回の記事では、ANAが発表した新しい運賃体系について、出張族やSFC修行中の方に向けて、何がどう変わるのかを丁寧に解説していきます。
参考リンク： ANA公式プレスリリース（2025年5月20日）｜国内線運賃制度の見直しについて
変更はいつから？ → 実施は2026年5月から
最も注意したいのは、今回の運賃改定が「今すぐ」ではないという点です。ANAの公式リリースでも明記されている通り、実際に新しい運賃体系が適用されるのは、2026年5月19日以降の搭乗分からです。
2025年内や2026年の前半までは、これまで通り「スーパーバリュー」「バリュー」「フレックス」といった運賃名が引き続き使われます。そのため、当面の出張や旅行、修行には影響がありません。これまで通りの計画でOKです。
ただし、2026年後半以降の計画を立てる際には、新しい運賃名や予約ルールに慣れておく必要があります。特に企業の出張手配や年間契約などで先の予約を押さえることが多い人にとっては、早めに情報を把握しておくことが大切です。
- 新しい運賃は2026年5月19日以降の搭乗分から適用
- 2025年内〜2026年前半の利用には影響なし
- 長期出張や修行計画を立てるなら、早めに新運賃の仕組みを理解しておこう
新しい３つの運賃タイプとは？
2026年5月からのANA国内線では、これまでの「スーパーバリュー」「バリュー」「フレックス」などの運賃名称が廃止され、代わりに3つの新しい運賃タイプに再編されます。
新しい運賃タイプの名称は以下の通りです。
この中で、これまで「スーパーバリュー」と呼ばれていたような早期予約割引運賃は、シンプルに置き換えられると見られます。
一方で、予約変更が可能な中価格帯の「バリュー」、当日変更もできる高価格帯の「フレックス」は、それぞれ「スタンダード」や「フレックス」へと再編される形になると予想されます。
ただし、現時点では各運賃タイプの具体的な条件（マイル積算率・予約変更の可否・アップグレードの対象など）は公表されておらず、詳細は今後の発表を待つ必要があります。
現在分かっている範囲でのスーパーバリューとの共通点（類似点）
| 項目 | スーパーバリュー | シンプル（新運賃） |
|---|---|---|
| 価格帯 | 最安クラス（早期購入） | 最安クラス |
| 予約変更 | 不可 | 不可 |
| 払戻手数料 | 高め | 高め |
| マイル積算率 | 50%など低め | おそらく低め（ANA未発表） |
| 主な利用層 | レジャー・修行・固定出張日 | 同様の層がターゲット |
現在分かっている範囲での注意点
| ポイント | 違いの内容 |
|---|---|
| 購入タイミング | スーパーバリューは「○日前」など販売タイミングが明確だったが、シンプルは空席連動型の価格変動で「早く買えば安い」とは限らない。 |
| 名前の分かりやすさ | 「75日前運賃」「28日前」などの直感的なわかりやすさが、新制度ではなくなる。 |
| サービスの付帯 | シンプルは「オプションをすべて外して価格を最小化」する設計。手荷物などが有料になる可能性も。 |
| 座席指定 | 一部のシート指定が有料になる可能性がある（ANA明示済）。スーパーバリューよりもさらに「ローコストキャリア的」に寄る可能性あり。 |
これまでのように「◯日前までなら安い」という直感的な分かりやすさが薄れる可能性があります。出張や修行の予定を立てる際には、それぞれの運賃タイプがどのような制約やメリットを持っているかをきちんと確認する必要がありますね。
- 運賃は3つのタイプに再編：シンプルがスーパーバリュー相当
- 予約変更可否・マイル積算率・アップグレード可否など詳細は今後発表予定
- 名前が変わることで「何日前運賃かわかりにくい」可能性もある
- 出張や修行で使うには、各タイプの特徴を把握しておくことが重要
【コラム】今さら聞けない？ANA国内線の現行運賃体系（2025年版）
普段スーパーバリューを使っていると、他の運賃タイプについて深く考えたことがない方も多いのではないでしょうか。ここで、現在のANA国内線の主な運賃区分を簡単に整理しておきます。
- スーパーバリュー（Super Value）
-
搭乗日の75日前・55日前・45日前・28日前などに設定された早期予約割引運賃。予約変更不可・払い戻し手数料あり・マイル積算率低め。安さ優先の旅行や修行向け。
- バリュー（Value）
-
予約変更可能で、マイル積算率も高め（75%〜100%）。価格と柔軟性のバランスを求める人向け。
- フレックス（Flex）
-
予約・変更・キャンセルの自由度が最も高く、マイル積算率100%、アップグレードも可能。ビジネス用途に最適。
これらが今後どう再編されるかに注目が集まっています。
- スーパーバリュー＝早割・最安・予約変更不可
- バリュー＝中間価格・予約変更OK・マイル高め
- フレックス＝高額・自由度MAX・出張向け
- 今後の新運賃7タイプの位置づけに注目
出張族が気をつけるべきポイント
今回の運賃改定で特に気をつけたいのが、出張でANAを利用している人たちへの影響です。
これまでのスーパーバリューは、「○日前予約」として明確に区切られていたため、出張の予定が固まっていれば早めに押さえることで旅費を大きく節約できました。また、「バリュー」や「フレックス」といった運賃も、ある程度の自由度と費用感で選びやすかったのです。
ところが、新運賃制度ではこのような「○日前運賃」という発想は廃止され、ダイヤ発表と同時に一部の割引運賃が販売開始になる方式に変更されます。
つまり、「45日前に安くなる」といった目安がなくなり、いつ買うのが一番安いのか、予測が難しくなる可能性があります。
- 「○日前運賃」が廃止され、最安運賃のタイミングが読みにくくなる
- 出張時の予約変更可否や払い戻し条件の見極めが重要になる
- 運賃タイプとマイル積算・アップグレードの可否も今後の焦点
- 企業の出張規定や精算ルールにも影響する可能性がある
👉 2026年5月の改定がSFCに与える影響についてはこちら
💡 2026年ANA運賃改定で変わる「手荷物制限と座席指定」の詳細はこちら
この記事のまとめ
- 2026年5月19日以降の搭乗分からANA国内線運賃が大幅改定される
- 「スーパーバリュー」「バリュー」「フレックス」など従来の運賃区分は廃止され、3タイプに再編される
- 「○日前運賃」がなくなり、予約の最適タイミングが予測しづらくなる可能性がある
- 出張でANAを使う人にとって、予約変更や払い戻しの条件把握がこれまで以上に重要になる
- 社内規定や手配ルールの見直しが必要になる企業も出てくるかもしれない